「さみしがりや」紹介


魂魄妖夢は白玉楼の庭師であり、西行寺幽々子の剣術指南役でもあった。
本人も殊更に意識したことはないが、その生活は幽々子のためのもの。
幽々子のために何かをする日々。そこに疑問は欠片も生じない。
 
そんな、ある日。
 

西行寺幽々子が外出することになった。
妖夢は特に詮索することでもないと思い、そのまま主を送り出す。
幽々子が何処に行くのか、何をしに行くのか、妖夢は知らない。
知る必要はないと思っていたし、すぐに帰ってくると思っていた。
 
 
それは、間違いだった。
  

 
 
 
「さみしがりや」
本文:緑猫
挿絵:にょる街
東方四恋花』収録